石川県神社庁

  • 氏神・氏子とは何ですか?

    上代、氏神は同じ祖先・同じ職業の人々(氏族)が信仰した神様でした。
    時代が進み、氏族制度が壊れ、居住地が変わり、職業も変わり、昔のままの氏神を祀ることが出来なくなり、住んでいる土地の神(産土神ウブスナガミ)を氏神とするようになりました。
    自身を生み育ててくれた地域・生活の基盤となっている地域の神様を氏神と呼ぶようになり、その地域に住み、その恵みに感謝する人々を氏子と呼ぶようになりました。

    御神符(オフダ)は何故毎年替えるのですか?薄い紙は?

    形のあるものは年を経る毎に朽ちていきます。
    しかし、神様の宿る御神符は清浄でなければなりません。
    毎年お正月に御神符を替えるのは、神様の恵みと祖先の恩とに感謝し心を新たにするためです。
    また、御神符にかかっている薄い紙は、御神符を保護するためのもので、包装紙のようなものです。本来は外します。

    数え年について教えて下さい

    満年齢は、生まれた時がゼロ歳です。
    数え年は、お母さんのお腹の中で命は脈々と育まれているという考え方から、誕生したときが一歳です。
    そして、正月を迎える度に年齢を加えるのです。新しい年に幸せと安心を授けてくださる新しい魂の歳神様のお力で、人間をはじめ世の中の総てが生まれかわり歳を重ねます。

    お供え物はどんな物でも良いのですか?

    神様へのお供え物は食べ物(神饌シンセン)(古くは御饌・御食ミケ)、そして衣料・宝物・金銭(幣帛ヘイハク)、建造物(社殿・鳥居・灯篭)の三種類が基本です。
    神様への感謝の誠を表すのがお供えです。神饌を例にすると基本は「米,酒,魚,海菜,野菜,果実,塩・水」です。
    新鮮・旬・初物・地物が基本です。生のもの、火を通したものいずれもかまいません。
    ただし、特殊神事を除き、獣の肉、辛いもの、匂いの強いものは避けて下さい。
    お供え物は、神様への感謝の誠を形にしたということです。

    金銭をお供えする時の表書きは?

    昔からの習慣で「初穂料ハツホリョウ」と書くのが一般的です。
    初穂は稲の初穂ですが、現在では初物を神様に捧げるもの総てをさします。
    その初穂のかわりに、初穂の分のお金を供えるからです。
    神様に供えるということでは「玉串料」「神饌料」「幣帛料」などと書いてもよいでしょう。

    おみくじの扱いはどのようにすれば良いのですか?

    神社では古来、粥占、水占などいろいろな占いが行われ、おみくじ(御神籤)は、その一種です。おみくじには、総体的な運勢(大吉・吉…)と個々の運の判断(仕事運、金運…)が書いてあります。
    大吉であっても浮かれずに精進するようにとか、凶でも用心して誠実にすれば神様のご加護がある、といった人生の大切な導きなのです。いたずらに喜んだり失望することではなく、その導きを守ることが大切です。このようなことから、持ち帰り時々読み返すことが良いようです。
    おみくじの内容や運勢を神に託すという意味で境内の樹木に結ぶことが行われてきました。
    樹木を傷めるという観点から最近は、結び所を設けている神社もあります。

    葬儀と神社とのかかわり方は?

    近親者の場合、五十日間(忌中)神社・神棚の参拝をひかえます。
    何よりも故人への慰霊を第一義とすること、近親者の死は深く大きな悲しみで神様にお参り出来る精神状態ではないことからです。
    五十日を過ぎれば忌明けとなり元の普段の生活にもどります。
    神様に忌中のご無沙汰をお侘びするお参りをします。喪中は一年間です。
    この期間は年賀状を遠慮したり、中心となっての祝い事を延ばしたりします。
    友人知人の葬儀に参列した日は、故人を失った深い悲しみで心は大きく乱れ平常ではありません。
    心を鎮め平常心で参拝するため当日の神様への参拝は遠慮したいものです。

    神社と動物(神使)について教えて

    『お稲荷さんの神様はキツネ?』と聞かれることがあります。
    キツネが神様ではなく神様のお使いで、神使(シンシ、ツカハシメ)です。いろいろな神様に様々な動物がお使いとなっています。
    例をあげますと、伊勢神宮の鶏、熊野大社の八咫烏(ヤタガラス…日本サッカー協会のシンボルマーク)、春日神社の鹿、八幡神社の鳩、天神さんの牛、白山さんの白馬など沢山の縁の深いお使いがいます。

    鈴(本坪鈴)について教えて

    拝殿の前に吊り下げてある鈴を、本坪鈴(ホンツボスズ)といいます。参拝の合図お知らせではなく、鈴の清々しい音色を神様にお供えし、神様の御心をお慰めし、参拝する方も清らかな心になるためです。

    御神酒、頂戴御神酒について教えて

    お酒は、神饌の代表でもあり「神酒のあがらぬ神はなし」と例えられるくらい重要です。
    そしてお祭りの最後に御神酒を戴く直会(ナホライ)をし、お祭りは完結します。
    最近は、頂戴御神酒を遠慮される方がおられます。神社信仰にとって重要なポイントといえます。
    御神酒は米を凝縮したものです。神様の御心・御恵みの籠もったものです。
    御神酒の香りを戴くことも良いのではないでしょうか。

    鎮守の森(杜)について

    昔から、鎮守の森(杜)いわれるとおり大木や樹林は神社にとって大切なものです。
    神様の宿る依代(ヨリシロ)であったりもします。
    外国の宗教では、建物を立派にし特別の空間を作ります。
    神社は、建物だけではなく、その周囲の環境をも大切にします。神様のお住まいに相応しい清々しい雰囲気と邪気を寄せ付けないためにも木々を植え、森を形成し、大切にしてきたのです。
    神様にとって、そして人間にとって緑深き森林は大切な存在であり、守り続けなければならないものなのです。

    禊祓(ミソギハラエ)について教えて

    禊祓は、辛く苦しい体験を通して何かを超越しようとする「修行」や「荒行」とは違います。
    罪(ツツミ)穢れ(キガレ)を除く『お祓い』なのです。
    禊はお祓いの原形です。自らできるお祓いです。古事記にある『禊祓と神々の化生』を少なからず、再現し体験するものです。
    正式な作法により禊祓を行うことにより、神代の神々の御心に触れることが出来るでしょう。